登記済証または登記識別情報を提供できない場合

登記済証または登記識別情報を紛失・盗難・焼失等により
法務局に提出できなくなってしまった場合、
あるいは登記識別情報の通知を希望しなかった・失効請求がされていた場合、
所定の事項を申請書に記載することで登記申請が可能です。

ただし、必要な手続きが生じることで登記実行までに期間を要する場合があります。

申請書に記載する事項

追加記載事項は添付情報の上に次のように記載します。

平成25年1月10日申請 〇〇法務局

登記済証(登記識別情報)を提供することができない理由:〇〇

添付情報:
登記原因証明情報
印鑑証明書
住所証明情報

紛失・盗難・焼失等により提出できない場合

上記のように物理的に提出できなくなった場合を失念(しつねん)といいます。
このようなケースでは申請書に次の事項を追加で記載して申請します。

登記済証(登記識別情報)を提供することができない理由:失念

 登記識別情報の通知を希望しない旨を申し出ていた場合

前回の登記時に登記識別情報の通知を希望しなかった場合、
登記完了後に所有者へ登記識別情報が発送されず
登記識別情報を提出することができないため、
申請書に次の事項を追加で記載して申請します。

登記済証(登記識別情報を提供することができない理由:不通知

債権者代位権に基づいて登記がされていた場合

前回の登記時に債権者が債権者代位権に基づいて登記を行っていた場合、
債務者には登記識別情報が通知されませんので、
申請書に次の事項を追加で記載して申請します。

登記済証(登記識別情報を提供することができない理由:不通知

失効請求がされていた場合

登記識別情報の盗難により不正登記がされることを防ぐために、
あらかじめ発行された登記識別情報を失効させる手続きがあります。

この失効請求が登記名義人・相続人・一般承継人によってなされていた場合、
申請書に次の事項を追加で記載して申請します。

登記済証(登記識別情報を提供することができない理由:失効

追加的な手続き

不正登記の防止のため、登記済証または登記識別情報を提供しない登記申請を行った場合、
次のような手続きが必要となる場合があります。

事前通知・前住所通知が必要な場合に該当するかどうかの判定

事前通知

登記所が、登記義務者に対して登記申請があった旨と登記申請の内容を通知します。

登記義務者は内容が真実であれば、
その旨を原則的には登記所が通知を発した時から2週間以内に申し出ます。

登記義務者が外国に居住する場合には、
登記所が通知を発した時から4週間以内にその旨を申し出ます。

事前通知書の送付先と事前通知に対する申出の方法

前住所通知(まえじゅうしょつうち)

所有権に関する登記申請をする際に、登記申請日より前の3ヵ月以内
登記義務者の住所に関して変更登記または更正登記がされている場合、
登記義務者の登記上の住所と登記上の住所の一つ前の住所の両方に通知がされます。

地面師(じめんし)等による虚偽の住所変更登記により
真の所有者の知らない間に登記上の住所が地面師の関係先住所に変更され、
その後に所有権移転登記がされた場合、
事前通知が地面師の関係先住所に送付されることになり、真の所有者へ送付されません。

このような場合にも真の所有者へ通知がなされるようにしたのが前住所通知です。

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